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2007年の感想

2007年8月24日

まず,全体的な感想ですが,ディスカッションの時にも述べたように,ワークショップやレクチャーのバランスがよく,とても充実したものだったと思います.ただ(これもディスカッションの際に述べたことですが),各ワークショップの終了時に,皆の経験を共有しあい,ファシリテータにお返しする時間がとれなかったのが,残念でした.
以下に,プログラムの進行順に,個々のメニューの感想を述べたいと思います.
ワークショップ1(ミヒャエルの自由即興オーケストラ)
あれだけの人数で,しかも,大きな音の楽器から小さな音の楽器までバラエティに富んだ状況で,正にオーケストラのような,一体感のある演奏ができあがる過程を楽しむことができ,初っ端からとても刺激的でした.ミヒャエルのファリシテートは,それぞれの作業で,何を目指しているのか明確だったので,音を出すこと,聞くことにとても集中しやすかったです.

ワークショップ2(体奏)
新井さんのワークショップは,楽しいと同時に,体がほぐれて,とても気持ちの良いものでした.時間が十分でなかったことが,本当に残念です.このような体をほぐすワークショップは,毎回,プログラムに入れて欲しいと思います.また,このようなワークショップを,プログラムの冒頭や,毎朝一番に行うと,「準備体操」になって,それぞれのプログラムに,より没入できるような気がします.

ワークショップ2(口琴)
色々な口琴が楽しめたという点については,良い経験だったのですが,ミヒャエルのワークショップや,クリエイティブ合唱団に比べると,何を目指しているのかが見えにくい,どっちつかずな感じの時間が過ぎてしまったように思います.このワークショップを通じて,口琴(とそれによる音楽)というのがとてもintimateなものであることを,再確認できました.

ワークショップ3(声の探求)
これまた,何を目指しているのかが,とても明確なワークショップだったので,入り込みやすい,とても良いワークショップだったと思います.自分ではうまく出せない音があり,もどかしさを感じたことまで楽しめてしまう内容でした.

セッション1
お風呂の時間を気にして人がサッと居なくなったところで,自然発生的に出来上がったピアニカ軍団の存在感に圧倒されてしまい,ピアニカ軍団の独壇場となってしまったのが,失敗でした.(演奏としてはわりと面白かったので,一人の聞き手としては,全く文句はないのですが)

ワークショップ4(クリエイティブ合唱団)
このワークショップは,それぞれのネタにおいて,寺内君が何を求めているかが明確だったので,それぞれのネタの世界に簡単に入り込むことができ,素晴らしいものでした.「内と外」という作品の体験に関して,1回目の体験中は,自分の中の音楽をうまく掴み取ることができず,苦行に近い状況でした.しかし,途中で一度ストップがかかった際に,自分の中の音楽を掴み取るためのストラテジーを見直すことができたので,2回目は楽しむことができました.この作品については,一度ある程度長めの練習試行をした上で,本試行をすると,寺内君が提案するこの作品の持つ世界を楽しめる人が,より増えるのかもしれません.
#参加している人が,優れた音楽家ばかりであれば,そのような必要はないかもしれませんが.

レクチャー1(若尾先生弾き語り)
プログラムを始めてみたとき,「レクチャー」と「弾き語り」という語が並んでいることに,「???????」でしたが,傑作なレクチャーだったと思います.もし,誰かがこのレクチャーを録音していたならば,たとえ音質が悪くても,今年のCMFのCDに入れて欲しいと思っています.

情報交換(「音遊びの会プロジェクト・その後」)
とても興味深いネタであるのに対して,調理がいまいちであったように思います.とてももったいない.

レクチャー2(ミヒャエル)
これまた興味深い内容で,良いヒントをもらいました.ゲストの方に,ワークショップだけでなく,レクチャーもやってもらうというのは,ゲストの世界観をより多面的に見ることができる,とても良いプログラム構成だと強く感じています.時間の都合で端折った部分も興味があるので,レクチャー用の原稿がホームページに掲載されるのが,待ち遠しいです.

セッション2
12回の1分限定セッションは,実に,面白かったです.1人30秒の自己紹介を削ってでも,別の組合わせでもう1順しても良かったのかなとも思います.

コンサート
参加者の皆さんの豊かな創造力に刺激され続けた,楽しく豊かな時間でした.CMFオーケストラが,ワークショップの時以上に良い演奏で,本当に気持ち良かった.
コンサートの出し物について,自己申告だけでなく,推薦枠もあると,より良いように思います(時間の制約もあるので,全員が提案をするのは難しいと思いますが,例えば,抽選で3名に推薦枠があたるとか,現実的な方法はあるように思います).

ワークショップ5
このワークショップは,確かにやるのも無茶苦茶楽しかったのですが,やっていると全体像がバランス良い状態で聞けないのが残念でした(もしかしたら,ウィシャートが一番楽しかったのではないかとも思ってしまいます).録音が楽しみです.

ディスカッション
ワークショップを閉める前に,皆で感想を共有する時間が必須であることを,再認識しました.ディスカッションにゲストのお2人が加われなかったのが,唯一,残念でした.

お別れパーティー
給仕の問題で,最初に,乾杯ができなかったことを除けば,文句のない,楽しいパーティーでした.

番外編
車座タイム(初日,2日目の夜)
今年は皆が泊まり込みだったので,時間を気にせず,ゆっくり話すことができました.アイディアの交換あり,人生相談ありの,充実した時間で,これも,CMFの醍醐味の1つだと思っております.来年以降も,是非,続けたいと思います.

<永幡幸司さんの感想>

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