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CMF2003の記事一覧

2003年の感想

2003年8月6日

倉本高弘のレポート
こんにちは。くらもと@神戸です。
楽しい事はアッという間に終わっちゃいますね。
18切符で帰ってきました。

思いつくままに内容を書いてみます。
22日(金)
・C.I.coダンス・ワークショップ(1)
今回の踊りの部は可愛い感じのお嬢さん2名で、なんとなく柔らかな感じのジャラクターでした。
二人のダンスは動きがどんどん湧いてくるって感じが印象的でした。
それから、何となく、体調崩していて、それが直った日の朝に味わえる普段の健康のさわやかさ、みたいな感じ。変なたとえですが。 ワークショップの内容は、最近の中ではライトな感じでした。
それにしても暑かったですね。
・ポータブル・オーケストラの試み
ごく簡単なルールでの集団即興演奏
余韻の出る楽器と持続音の出る楽器の組み合わせで、参加者の音楽的素養は問わない内容。
特に多かった金属系打楽器の響きが印象的で、ものすごく素敵な音楽(音響)体験でした。

23日(土)
・C.I.coダンス・ワークショップ(2)
・即興音楽ゲーム
レギュラー化しつつある山田さんによるリリ・フリーデマンの即興ゲーム。
何度やっても楽しいです。鐘の最後のあたりはポータブル・オーケストラと共に今回の大きな収穫かな。
・コンサート&発表
年々内容が豊かになってきますね。幻惑四重奏団は、やってる分にはとても楽しかったです。
寺内くんの「耳の音楽」が21世紀版4分33秒って感じで個人的にウケました。
打ち上げは、かくし芸大会にはならず、花火大会と告白大会??

24日(日)
・ジョン・ゾーンズ・コブラ 超簡易版
ポータブル・オーケストラが予想以上に良かったという事で予定変更。
ジョン・ソーンのゲーム・ピース。大友さんの説明どおり、こちらは音楽的素養があればあるほど楽しめる内容。
やっぱり参加者として、サイン見ながらあたふたするのが楽しかったです。

最後は恒例の水兼シェフの料理とさよならパーティー。
料理が美味しくて腹いっぱいでした。

若尾先生、ゲストの皆さん、NORAの3人、参加者の皆さん、お疲れ様でした。

来年以降の話ですが、ご近所って事もあり、可能な範囲でお手伝いしたいと思ってます。

2003/8/25 付けのcmf メーリングリストの書き込みから

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若尾久美さんのレポート

わかおくみより、
今年もCMFフェス無事に終わりましたね。
みなさま、ほんとうにいろいろお世話になりました。
ありがとうございました。

参加できなかった方々に「倉本レポ続編」お送りします。
(以下長すぎて読めない方は連絡くださいませ)

> 22日(金)
> ・C.I.coダンス・ワークショップ(1)

ちこさんとまきこさんのダンスは個人的に見るのは島根県美に続いて2回目でした。
しかし、見るとやるとではほんとに違うなあ!と驚きです。
倉本さんが書いておられるように、確かにハードではない動き、普通じゃん、と思えるような動作。なのになのに・・
これを爽やかにやる、というのは多分彼女達の特質でしょうね。
ダンスといえば舞踏派と思ってしまうのですが、ブトー派の情念とは違う、なにか丁寧な心のこもった対応をしてもらったような気分です。
えっと、本格の日本茶を入れて飲む、のではなくて日常の普段のお茶をおいしくしたみたいな、いい気分でした。

> ・ポータブル・オーケストラの試み

私は勝手に、なにか電動おもちゃみたいなのが主役で「ブーン」ってみんなでうならせるのか、と思ってました。
ヒゲソリとかを振り回して「ブーン、ビッビー」とか。

で、これネーミングいいですね。
ポータブルって言葉のレトロさが、簡易インプロと結びついてます。
今回は、これを含めて多人数でしか味わえない貴重な音体験が多かったです。

> 23日(土)
> ・C.I.coダンス・ワークショップ(2)

きのうより少々レベルアップした動きのワーク。
二人で一緒にぐるん、と回転するやつ、見ててもとてもすてきです。新種の乗り物みたい。
(実は自分はできなかったんですが・・トホホ)

> ・即興音楽ゲーム
> レギュラー化しつつある山田さんによるリリ・フリーデマンの即興ゲーム。

倉本さんも書いておられるように「鐘」良かった!
きれい~、と心で拍手しながらやってました。
これも、あれだけの楽器数と人数だからこそですね。

> ・コンサート&発表

ちょっとへんですが・・
以下自分のHP-BBSからコピーです。

大友さんの生ライブ初めての経験でしたが、CDでは味わえない凄みでした。
そんなに広くない音楽室にラムサ・サブロー(スピーカ)で聴く音は密度・硬度・精度、
全てにわたって厳しくバッシバシにしびれる音楽でした。
(この種の大音響がけっこう好き!)

> 24日(日)
> ・ジョン・ゾーンズ・コブラ 超簡易版

今日の朝やったコブラ(イージー・バージョン)もすごく面白かったです。
84年(コブラのできた年)というバブルに向かう時代に厳しさを感じさせる自由を生み出したジョン・ゾーンを尊敬です。
こういう自制の気持ち(っていうと変だけど)を忘れると世界は限りなく戦いの場と化すなあ、と思います。
これは傲慢さへの警告の音楽でもあるような。
実際にやってみると、とてもとっても楽しいスリルがありました。

*****
あまり長くても読みにくいのでこの辺で。

ところで録音はうまくとれたようです。
いいCDできるといいですね。
大友さんが言われていたドイツのレーベルから出すかも、
の話、いいなあ!

今回参加された方の他の感想もきかせてくださいね!
どうぞよろしく!

2003/8/25 付けのcmf メーリングリストの書き込みから

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山田衛子さんのレポート

こんにちは、お世話になりました。
私は、無事に着きました。
ドイツはもうすっかり秋です。
時差ぼけというより季差ぼけかな。
一人でやりたいことをやっていた一週間があっという間におわって帰った、この状況の変わりようは、厳しいです。(主婦業、母親業)

何度行っても楽しいCMFですが、
今年のダンス・WSは、私個人としては、過去に新井・堀川と進んで来てとてもうまい具合にコンタクト・インプロヴィゼーションに進んだな、という感じです。何か訳があってこう発展して来た、そんな感じで、すんなり入って行けました。
ただ、ちこさん、まきこさんのような、美しい、まるで万華鏡のようにきらきらくるくる変っていく、
ああいう動きとは全くかけ離れたものでしたが、私のは。

大友さんのWSは、さすがだな、という実感。
やっぱりあのルールがばっちり、音楽的かつ集団性の問題点を把握してしまっている。
あれだけの人数がはじめていっしょにトゥッティでやってあれだけの音楽が出てきてしまうなんて。
どうもトゥッティを音楽的にやらせる、というのは、WS指導者の執念みたいですよ。私、いろんなWSで結構有名な音楽家に指導された経験をしていますが、かならずと言ってよいほど、このあたりが問題になってくる。
それが、大友さんの場合は、ただ、「持続音の余韻を聞いて、音の長さの2倍は休んで、」
なんていってうまくやっちゃうのだから、脱帽です。
それに音そのものの価値を自分が作り出して行ける、そういう機会にもなっていて、何か責任感のようなものも出て来ますね、このルールだと。
演奏も素晴らしかった。
音響の効果だけを並べ立てる、よくある手と全く違っていた。
大友さんのは、すごく身体性があるな、と思う。
見ていることと聞こえることがずれていないので気持ちもいい。

「鐘」にはやっぱりもう少し低音がほしかったな。
それから、あれだけの大所帯だったら、鐘消し人は、時々は2つとか3つとかの鐘をいっぺんに消してしまうことがあっても面白かったかもしれない、と後で思い付きました。

とても長くなってしまいましたが、最後にこれだけ。
「・・・・33のゲーム」重版ですって。

来年も又参加できますように!

山田衛子

2003/8/29 付けのcmf メーリングリストの書き込みから

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大友良英さんのレポート

@月@日 広島県甲奴郡総領町。ここも白州に負けず劣らずの田舎町。さすがになれてきたとはいえ、ネオンのないところはね、なんか 寂しいっす。今度は廃校になった小学校に3日間とまりこんで数十人の参加者とともにワークショップ。音楽療法の専門家でもある音楽家若尾裕さんの企画で毎年おこなわれているクリエイティブミュージックフェスティバルで、今年は6回目になるらしい。参加しているのはDJ っぽいなりの高校生から、各地の教育学部や美術音楽系の大学生、地元の音楽教室の先生から大学の先生に至るまで。音楽の専門家から、楽器をやったことのない人まで、さまざまなスキル、年齢の人たちと教室に雑魚寝の3日間。田舎が苦手のわたしが参加したのは前述の理由のほかにもうひとつ、若尾さんの著書「奏でることの力」がすばらしかっからだ。ここには専門の音楽療法やマリーシェーファーに関することのほかに、スクラッチオーケストラやらデレク・ベイリーなんかの即興演奏のことまで出ていて、そのへんのことを若尾さんが実践している姿をこの目で見たかったからだ。(実はこのワークショップから2週間後の、先週の週末に、まさにスクラッチオーケストラの初期の中心メンバーだったAMMのキースロウと一緒に、スクラッチオーケストラの現代版のような実験をロンドンで3日間にわたりすることになるのだけれど、これについては次回に)

@月@日 ダンスの服部ちこさん、伊藤真喜子や、音楽教育家の山田衛子さんのワークショップをまじえつつ、夜は花火をやったり酒盛りになって、告白タイムになったり、老若男女の友達も出来て3日間はあっというまでした。予想どおり、若尾さんの独特の存在が、素晴らしかった。いるだけで、こうなんというか、音楽が聴こえて来るような人でした。かんじんの、わたしのワークショップはというと、これも個人的には沢山の成果がありました。身体のこと、時間軸にそった変化のこと、リズムのこと、ゲームのこと、そして聴取・・・今まで自分が経験してきたばらばらの音楽的な出来事が渾然一体となっていく中で、なにかがつかめそうな、でも先は長いような。音楽ってなんだ、とか、踊るって・・・とか、楽しむってなんなんだ・・・とか素朴なことをずっと考えながら、でもなにより自分自身が一番楽しい時間をすごさせてもらったような気もします。参加者の中には驚くくらいのおもしろい音楽的なアイディアでCDまでだいしている音楽大学の先生もいれば、もうかわいい・・・って言葉しかでないオレの半分の年齢の女の子まで。オレは教師とか先生みたいな立場の人間にはなる気もなければ、なれもしないけど、でもオレが楽しんだぶんだけ、彼等彼女等もなんか見つけてくれればなによりだな~なんて、ちょっと先生風に思ってみたりして。みんな、またどこかで遊びましょうね。

大友さんのメールマガジン JAMJAM日記2003年7~8月 2003/09/12 より許可を得て転載

2003年

2003年8月6日

■会場
広島・総領町ふるさとセンター田総

■日程
8月22日(金)~8月24日(日)
8月22日(金)
CI.Co ダンス・ワークショップ (1)(勝部ちこ、伊藤真貴子)
誰でも参加できるポータブルオーケストラの試み(大友良英)
8月23日(土)
CI.Co ダンス・ワークショップ (2)(勝部ちこ、伊藤真貴子)
即興音楽ゲーム(山田衛子)
コンサート&発表
8月24日(日)
John Zorn’s Cobra(超簡易版)(大友良英)
さよならパーティー

■講師
●大友良英
1959年生まれ。
ターンテーブル奏者/ギタリスト/作曲家として、日本はもとより世界各地でのコンサートやレコーディング等、常にインディペンデントなスタンスで活動し、多くのアーティストとコラボレーションを行っている。また、映画音楽家としても、中国/香港映画を中心に数多くのサウンドトラックを手がけ、ベルリンをはじめとした多くの映画祭で受賞、高い評価を得ている。近年はポスト・サンプリング指向を強め、「Ground-Zero」のプロジェクトに代表されるようなノイズやカット・アップ等を多用した大音量の作品から、音響の発生そのものに焦点をあてたスポンティニアスな作品へと、ドラスティックに作風を変化させている。Sachiko Mと結成した電子音響系プロジェクト「Filament」で徹底した脱メモリー音楽を指向する一方で、伝統楽器とエレクトロニクスによるアンサンブル「Cathode」や「Anode」、60年代のジャズを今日的な視点でよみがえらせる「大友良英New Jazz Quintet」等をスタート。他にも邦楽器の為の作品の作曲、多方面でのリミックス、プロデュース・ワーク等、多忙を極める。

●C.I.co. (シーアイシーオー)(勝部ちこ 伊藤真喜子)
 2000年春、日本のコンタクト・インプロビゼーションをトータルに元気にして行こうという主旨で、勝部ちこと伊藤真喜子を中心にして設立された、東京をベースに活動するグループ。
 自由参加型ワークショップ「蒟蒻とエンペラ」を継続的に開催。また海外から第一線で活躍するアーティスト達、ダニエル・レプコフ、レイ・チャン、ベノ・フォアハム、マイケル・シューマッハら講師を招聘し、ワークショップとパフォーマンスを行なってきた。「ふれあう事から始まるダンス」としてコンタクト・インプロの広く深い可能性を追求し、これまでに島根県立美術館でのワークショップ、パフォーマンスや、全国女子体育研究大会でのワークショップ、「ダンス・インプロビゼーション・フェスティバル東京2003」などを行なって来ている。
2002年夏はヨーロッパ・コンタクト・インプロ・ティーチャーズ会議に参加するなど、世界を視野に日本人としてのコンタクト・インプロを探求している。2001年よりセゾン文化財団の助成を受けている。JCDN (Japan Contemporary DanceNetwork)アクティブ会員(2001~)

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